2014 February

Paris

 
 
 
 
 
 
 

ポンピドーセンターで「シュールレアリスムとオブジェ展」を見る。1927年 に始まり、30年代にはダリ、マン・レイ、デュシャンらによって世界 に広め られ、弟2次世界大戦中にNYで大きな評価を得たシュールレアリスム運動の歴 史を、約100点のオブジェと40点の写真と共に振り返る。

デ・キリコ、マックス・エルンスト、ルネ・マグリット、カルダー、オスカー・ ココシュカ、ジャコメッティ、ミロ・・・とそうそうたる顔ぶれ。強烈 なメッ セージを含みつつ静かな作風、その生き方そのものがコンセプチュアルなマルセ ル・デュシャンの作品は、いつ見ても涼やか。

 

 

Paris

 
1937年に建築家、オーギュスト・ペレが設計したイエナ宮、現在は経済社会 評議会館となっている。「 August PERRET Huit chefs-d'ouvre 」展をこの会場 に見に行く。ベルギー生まれのオーギュスト・ペレは20世紀にフランスで活躍 した建築家。鉄筋コンクリート造と言う新しい技法により芸術的 な表現を追及 した「コンクリートの父」と呼ばれる。
安価で造形性に富むコンクリートは石材より優れた材料だと見なしていて、コンクリートのウチ放しや工期を短縮するプレ・キャストの技法などその影 響は計り知れない。ペレの事務所にはル・コルビジェも在籍していたそうで、ワル ター・グロピウス等にも大きな影響を与えた。
 
 
 
 
 
 
会場の構成も面白くペレの業績が年代順に追ってあり、古い資料も興味深い。セ ピア色になった昔のペレの事務所の写真・・・コルビジェも居るのか も?ペレ とコルビジェの自筆の往復書簡も真近で見られる。

 

Tokyo

   
 
 
 
今年も卒業制作優秀作品展の時期が来る。フランク・ロイド・ライト設計の明日 館のお庭もまだ雪が残る寒い朝、事務所のスタッフと見に伺う。主人の ゼミ生 徒さんの作品もいくつかあって説明を受ける。他の学科の優秀作品もとても興味 深い。若い時に抱いた夢を実現するのは自分にしか出来ない。気 負うことなく 伸びやかに、自分を信じて悠然と進んで欲しいと思う・・・。

 

Kiryu

女子中・高等科時代の恩師が館長をなさっている桐生の大川美術館をお訪ねす る。雪の直後の晴天の朝、電車に揺られて数時間。懐かしいT先生がお迎 え下 さる。高等科の時には既にパリに行くことを考えていたので、学校生活は思い切 り楽しんだけれど、テニスやスキーばかりやっていてまったく勉強 はしなかっ た。毎学期呼び出されていたけれど、あまり気にすることも無かった私。 卒業して30年以上経った今、さすがに反省していま す・・・。 桐生の街が一望出来る、雪の残る美術館のお庭でお話は尽きず・・・。
大川美術館は桐生市出身の実業家、大川栄二氏が40年間かけて集めた個人コレ クションを「公益財団法人大川美術館」とした美術館。松本竣介と野田 英夫の コレクションを中心に、桐生出身のテキスタイル・デザイナー新井淳一やパリで 活躍するシーラ・ヒックスなどの所蔵品もあり興味深い。
 
 
 
 
 
桐生の豊かな自然に囲まれた美しい美術館。素晴らしいお天気に恵まれて夢のよ うな時間だった。恩師のT先生にとっては、私は今でも心配な生徒なの でしょ う・・帰りも先生の車で駅まで送って下さり、昔と変わらない先生の優しさに感 激する。美しい桐生の自然を抜けて行く帰り道、パリで伺った シーラ・ヒック スのアトリエを思い出す。

 

Tokyo

 
 
 
 
ここ明日館は自由学園の創始者羽仁吉一、もと子夫妻が、当時帝国ホテルの設計 のために来日中であったフランク・ロイドライトに設計を依頼したも の。今日 まで関東大震災や太平洋戦争の災害を免れ80年に渡って保存されてきたとい う。食堂だった場所を1年に一回ビア・ホールとして公開してい る。

 

Tokyo

   
 
 
expo index 代官山のヒルサイドテラスに「EMI FUKUZAWA Works of Art 」を見に行く。昨年ハワイで亡くなった造形作家、福澤エミ氏の作品を静かな ヒルサイドテラスでひっそりと拝見する。インドのアーメダバードにコルビジェの作品サラバイ邸 を見に行った時に、彼女のアートワーク に触れる機会があった。マスコミに出ないので知っている人は少ないらしいが人生そのものが本当にシッ クで素敵。パリ、ロンドン、NY、 インド、そして日本と世界中に住んで、その各地でさまざまなアートワークを残して来た、本当の意味でのコスモポリタン。 梅の花が咲き始めている静かなヒルサイドテラス・・・すべてにさりげない彼女らしい展覧会。 page top

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